三日月を歩きたい

満月生まれです

目黒川の桜並木

だって私たち

なんの合図もなく始まったんだものね

誰かにスタートと言われて走り出したわけでもなく、いつのまにか手を繋いで一緒に走ってて

誰にも気付かれずにこっそりと。

今私から手を離しても、誰も私たちがちょっと前まで長い間手を握り合っていただなんて思わない

そんな風に関係を作り上げてきたのは確かに私たちの責任だけど、そんな当たり前のことをふと思い出したように考えてしまうとひどく心が下がる

下がるというほどそもそも高い位置にあるようなものでもないのかもしれない

私たちは高め合って時間を過ごしてきたように思えるけど実は全然違うのかもしれない

お互いズルズルと片足づつ深い泥沼に陥れてきたのかもしれない

それも誰にも知られることなく、誰かにストップと止められることもなく

気がついたらここまで来ていて

お互いのことは多分たまらなく好きだけど、ここで何か大きな決断をしなければいけない気がして

ちゃんと、私たちの身の回りの人を巻き込むような関係にならないと多分ずっと何も変わらない

何も変わらずズルズルズルズルまた、

下か上かもわからない沼のようなところに入っていく

あぁ、もういっそのこと

誰かに盛大に奪われてしまいたい

そしたら何か大きな気持ちをあなたに渡せるのに

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