三日月を歩きたい

満月生まれです

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

サンネンメ

お題「ささやかな幸せ」 遠くから見ていた君への気持ちをずっと近くで見てみたかった 君の隣で見てみたかった 新幹線で1時間の距離をダメ元で引き寄せた 近ければ近いほど何も見えなくなるのかと思って微かに怯えてたあの頃の僕に教えてあげたい 遠くにいな…

きらきら

キラキラのマニキュアで気分を上げてみた 誰にも言えない秘密をベットに置いた 雨の日に傘を忘れてホームで濡れる 濡れた地面を歩く 歩いたそばからスカートに水が跳ね返る 小指のキラキラが取れかけている 誰に見られるわけでもないのに なんだかそれが無性…

梅雨

心が冷めた気がした 氷が溶ける音がやけに大きく聞こえる 目線の先にはよく動く形のいい唇 まだひとくち残っているケーキを食べるタイミングを完全に失った 隣の女子高生の会話に意識がいく コーヒーが冷める 気持ちも心も冷めた 口角が上がらない うまく話…

えちえちですね あなたはそう言って静かに私の心に入ってきた なんかもう、どうでもいいな… なんて思ったりしたあの春の入り口に貴方はなにを置いてきたの 少しづつ心が君に奪われていく じわじわ何かを感じ取りながらなにも動かない私に君はいつもそっと手…

大人になると嘘が上手くなるのだと思っていた おとなになって僕は嘘がつけなくなった すぐに見破られる目が怖くて 本当のことなんてなにも言えないのに 臆病者な僕はそれを誤魔化すように口を濁す 嘘も真実もなにも言えなくなった僕は大人という大きな殻の中…

駅の改札口

4ヶ月前に会った時君はまだ少し殻をかぶっていた 僕にしか見せない姿があるんだと心の中では小さな優越感に浸りながらその日は別れたのを鮮明に覚えている 誰にも見せない姿を垣間見せてくれてるんだと 僕は多分自惚れていた それが君の殻だとも知らずに。 …

ヨル

少しだけ遅かったんだ あと1年気持ちがズレたらどうなったんだろう 少し大人になりすぎた僕たちは夜の繁華街を歩きながらあの頃の記憶に耳を傾ける 出会ったばかりの君はとんでもなく輝いて見えてどうにかしてその手を掴みたかったのに今になってそれは簡単…