三日月を歩きたい

満月生まれです

2020-07-04から1日間の記事一覧

梅雨

心が冷めた気がした 氷が溶ける音がやけに大きく聞こえる 目線の先にはよく動く形のいい唇 まだひとくち残っているケーキを食べるタイミングを完全に失った 隣の女子高生の会話に意識がいく コーヒーが冷める 気持ちも心も冷めた 口角が上がらない うまく話…

えちえちですね あなたはそう言って静かに私の心に入ってきた なんかもう、どうでもいいな… なんて思ったりしたあの春の入り口に貴方はなにを置いてきたの 少しづつ心が君に奪われていく じわじわ何かを感じ取りながらなにも動かない私に君はいつもそっと手…

大人になると嘘が上手くなるのだと思っていた おとなになって僕は嘘がつけなくなった すぐに見破られる目が怖くて 本当のことなんてなにも言えないのに 臆病者な僕はそれを誤魔化すように口を濁す 嘘も真実もなにも言えなくなった僕は大人という大きな殻の中…

駅の改札口

4ヶ月前に会った時君はまだ少し殻をかぶっていた 僕にしか見せない姿があるんだと心の中では小さな優越感に浸りながらその日は別れたのを鮮明に覚えている 誰にも見せない姿を垣間見せてくれてるんだと 僕は多分自惚れていた それが君の殻だとも知らずに。 …

ヨル

少しだけ遅かったんだ あと1年気持ちがズレたらどうなったんだろう 少し大人になりすぎた僕たちは夜の繁華街を歩きながらあの頃の記憶に耳を傾ける 出会ったばかりの君はとんでもなく輝いて見えてどうにかしてその手を掴みたかったのに今になってそれは簡単…