七夕
時々、いきなり
本当にいきなり寂しくなる時がある。
誰もいない家にたったひとりでいるような感覚に打ちひしがれながら
誰かに連絡を取ろうとケータイに手を伸ばす
やっぱりこんな時間に迷惑だよなと思い直して
そんな風にすっと現実に戻ってくる瞬間が殊更に寂しさを運んでくる
ケータイに伸ばしかけの手が行き場をなくして空中をむやみに遮りながら膝の上に落ち着く
誰もが同じようなこの感覚を持っているのなら
その先にある乗り越え方を教えてほしい
ただひとりで寂しくなってしまうような気持ちをどうやって乗り越えているのだろうか
言葉にできない寂しさをどうやって勇気に変換しているのだろうか
誰にも聞けないこの気持ちの正体に僕はまだしばらく怯え続けるのだろう