くがつはつか
ほんの半年前までとても好きだった
諦めかけて離れる準備を進めた頃に
あなたはそっと隣に来た
嬉しくて飛び跳ねそうになる気持ちを必死で抑えて隣を歩く君を意識する
少し距離を縮めようとしてもサラッとかわされちゃうし
手なんて繋いでなんてくれない
焦っちゃダメだと自分に言い聞かせてここまできた
あなたのことが好きで
ただ触られたいだけなのに
もう、触ってくれてもいいんじゃない
ぽろっと出た言葉はあなたの元に届かなかった
こんなに近くまで来れたのにやっぱりあなたは触らせてくれないし触ってもくれない
相変わらず外を歩くときは下手な距離感を保ちながら歩くしかない
でもサヨナラをする前の1時間
あなたはいつも少しだけ私を愛してくれる
またいつ会えるかもわからないあの時間を過ごすのがとてもつらいとわかっていて
もうやめようとこころに言い聞かせながら歩くのにサヨナラをした瞬間また私はあなたから離れられなくなる
会うたびに右手の薬指にはまっていた指輪がいつのまにか私の親指にはめられていて
思わず駅に座り込む
こんなのつらいはずなのに
この指輪を返すまではもう少しあなたを好きでいようと思う