山の夏
僕、山育ちなんですね
それもかなり気合の入った山
スキー場にはスキー板担いで歩いて行けるくらいの距離
かなり気合入ってるでしょ
スキー場があるくらいだからもちろん冬なんて極寒で、一年の半分くらいは雪に囲まれて育ったんです
小学校は小2で合併して、
歩いて20分、そこからバスで30分の距離を毎日往復してました
短い夏は随分過ごしやすかったんですよ
最高でも25度くらいまでしか上がらなかったかったし、空気は綺麗でとれたての野菜を毎日食べれたし。
そのせいか高校に上がると同時に街に降りてきてからは夏の暑さに耐えられなくなって
山でも暑いなーと思ってたのに街に出たら全然暑さのレベルが違うんですもん
蒸されてる気分ですよ
コンクリートに触れば火傷するほど暑いし
クーラーの効いた部屋に入ったら今までクーラーなんて経験したことなかったから温度差に頭が痛くなるわで
山に戻りたいと心底思いました
今でも山に住みたいと思ってます
でもやっぱ不便なんですよね、街から離れていると
最寄りのスーパーまでは車で40分とかだし
親元離れた今ではひとりで山暮らしなんてとてもじゃないけど無理だな、と思います
だからこんな暑い日は記憶を巻き戻して山の中の空気を吸いたくなるんです
ガンガンに効いた冷房の中とサウナ状態の外を平気で往復できるようになるくらいに僕は大人になったんだと、あの頃の僕に教えてあげたくなります
無理に街に出ようとしなくても確実に大人になってしまうんだと。