三日月を歩きたい

満月生まれです

いつまで待ってくれる? 初めて泊まるホテルの真っ暗な部屋、 ダブルベットにふたり 君の真面目な声が聞こえた

名前もないBARに連れ込まれて 光があるのかないのかわからないカウンターでタバコの煙の影だけが見えた

丸の内

言葉にした途端無意味なものになって 声に出した途端誰にも拾われない紙切れになった 夏が終わる瞬間大きな歩行者天国で小さく寄り添いながら歩いたあの記憶は私だけのものだったのかもしれない 誰にもバレないようにと人目を気にするフリをしながら本当は名…

サンネンメ

お題「ささやかな幸せ」 遠くから見ていた君への気持ちをずっと近くで見てみたかった 君の隣で見てみたかった 新幹線で1時間の距離をダメ元で引き寄せた 近ければ近いほど何も見えなくなるのかと思って微かに怯えてたあの頃の僕に教えてあげたい 遠くにいな…

きらきら

キラキラのマニキュアで気分を上げてみた 誰にも言えない秘密をベットに置いた 雨の日に傘を忘れてホームで濡れる 濡れた地面を歩く 歩いたそばからスカートに水が跳ね返る 小指のキラキラが取れかけている 誰に見られるわけでもないのに なんだかそれが無性…

梅雨

心が冷めた気がした 氷が溶ける音がやけに大きく聞こえる 目線の先にはよく動く形のいい唇 まだひとくち残っているケーキを食べるタイミングを完全に失った 隣の女子高生の会話に意識がいく コーヒーが冷める 気持ちも心も冷めた 口角が上がらない うまく話…

えちえちですね あなたはそう言って静かに私の心に入ってきた なんかもう、どうでもいいな… なんて思ったりしたあの春の入り口に貴方はなにを置いてきたの 少しづつ心が君に奪われていく じわじわ何かを感じ取りながらなにも動かない私に君はいつもそっと手…

大人になると嘘が上手くなるのだと思っていた おとなになって僕は嘘がつけなくなった すぐに見破られる目が怖くて 本当のことなんてなにも言えないのに 臆病者な僕はそれを誤魔化すように口を濁す 嘘も真実もなにも言えなくなった僕は大人という大きな殻の中…

駅の改札口

4ヶ月前に会った時君はまだ少し殻をかぶっていた 僕にしか見せない姿があるんだと心の中では小さな優越感に浸りながらその日は別れたのを鮮明に覚えている 誰にも見せない姿を垣間見せてくれてるんだと 僕は多分自惚れていた それが君の殻だとも知らずに。 …

ヨル

少しだけ遅かったんだ あと1年気持ちがズレたらどうなったんだろう 少し大人になりすぎた僕たちは夜の繁華街を歩きながらあの頃の記憶に耳を傾ける 出会ったばかりの君はとんでもなく輝いて見えてどうにかしてその手を掴みたかったのに今になってそれは簡単…

春の日

これからもほんの小さなことで幸せだなってふたりで笑い合えたらいいな 雨が降って急いで帰ったら洗濯物がびしょ濡れになっててふたりして大爆笑したあの日がすごく幸せだった ほんの少しのすれ違いでもきちんと君が僕の話を聞いてくれるからちゃんと幸せな…

アルフォート

スーパーのお菓子売り場の前に立って たけのこの里ときのこの山を見比べる あぁどっちにしようかと考える お母さんが僕の名前を呼ぶまで真剣に悩んでいた ふとそんな懐かしい気持ちになりたくて スーパーまで歩いてみた どっちも食べてみたいこの気持ちをな…

意味のない涙が頬をつたう 時々不安になって君といない未来が怖くなる 誰かの隣にいる僕はきっと笑っているのかもしれない 君の隣でなくたって笑えてるのかもしれない ただ君の隣でしか僕は僕でいられない

なんとなく心の中がグツグツして 考えても答えが出ない感覚がすっかり身体に染み付いてしまった あぁまたかとふに落ちる自分に少し嫌気がさしながらも同じような生活が繰り返される

僕たちはやっぱりあの場で話し合っておくべきだったんだと思う 誰にも見つからないようにこそこそと 誰かに見せびらかすように大きな声で 君に伝えたいことは大体伝わってると思ってたこの傲りを罵って欲しい 伝わることなんて、伝えようとしてちゃんと言葉…

サミシイネ

なんで心から好きなのにこんなふうになってしまったんだろう 他の人には無意識で隠し倒せるほど余裕ある心があなたの前では見え隠れする 本当は気付いて欲しくて仕方なかったのかもしれないし本当はもっとかまって欲しかったのかもしれない 結局自分の本心に…

なんとなく感じたあの違和感をそのままにした自分に嫌気が差す

金木犀

電車の中だろうと例えばエレベーターに乗っている時だろうと徐にキスをねだる君が好きだった 『人目を考えなさい』 なんて言いながら本当は僕だってたまらなく可愛い君にキスをしたかった 自分の欲求にとても素直な君に少し嫉妬しちゃうくらいには僕は自分の…

やり残したことといえば 君とどエロいことをもっとしておけば良かった 夜の道の中でもっと溺れるほどキスでもしておけば良かった どうせ君は僕の中になんて残ってくれないんだから それならいっそのことあの夜のうちだけでも引きずり込んでしまえばよかった…

ちゃんと、 ちゃんと好きなんだと心に言い聞かせた 昔から飽き性で振り向かれた瞬間に気持ちが冷めちゃう 悪い癖だった 君もどうせ同じだろうと なんとなく距離を置きたがる 少し先に踏み込めない君だから こんなに惹かれてこんなに好きなんじゃないかと思っ…

はつかの朝

なんでこんなに言い知れない気持ちになるのかわからないけど君はいつだってそうだ そうやって手も繋ぐ気もないくせにすっと僕の手の横をすり抜けてみせたり抱かれる気なんてさらさらないくせに君はいつでも少し寂しそうに目を伏せる もう騙されないと何度自…

くがつはつか

ほんの半年前までとても好きだった 諦めかけて離れる準備を進めた頃に あなたはそっと隣に来た 嬉しくて飛び跳ねそうになる気持ちを必死で抑えて隣を歩く君を意識する 少し距離を縮めようとしてもサラッとかわされちゃうし 手なんて繋いでなんてくれない 焦…

遠くから見ていた君への気持ちをずっと近くで見てみたかった 君の隣で見てみたかった 新幹線で1時間の距離をダメ元で引き寄せた 近ければ近いほど何も見えなくなるのかと思って微かに怯えてたあの頃の僕に教えてあげたい 遠くにいながら手を握り合っていたあ…

ちょっと。 そんなつもりじゃなかったんだけど 君じゃない誰かに心踊らされるのも少しはいいものだなと思ってしまった あなただけにしかこの心は動かないものだと思っていたけれど どうやらそんなの思い違いだったみたいで ひどく安心した 同時に少しだけ切…

ぽとっと落ちた独り言が小さな部屋の中に彷徨った ぐるぐると部屋を一周して静かに消えた 気がつくとまた、小さな部屋に行き場のない心を抱えて涙が頬をつたう 手のひらに落ちてくる大きな雫が溢れて何も掴めなくなる 確かにあった手のひらの中の感覚がだん…

本当に好きなあなたに好きですなんて言えるはずもなく また同じことを繰り返す いっそのことバレてしまえばいいのにとか思いながら

七夕

時々、いきなり 本当にいきなり寂しくなる時がある。 誰もいない家にたったひとりでいるような感覚に打ちひしがれながら 誰かに連絡を取ろうとケータイに手を伸ばす やっぱりこんな時間に迷惑だよなと思い直して そんな風にすっと現実に戻ってくる瞬間が殊更…

目黒川の桜並木

だって私たち なんの合図もなく始まったんだものね 誰かにスタートと言われて走り出したわけでもなく、いつのまにか手を繋いで一緒に走ってて 誰にも気付かれずにこっそりと。 今私から手を離しても、誰も私たちがちょっと前まで長い間手を握り合っていただ…

ほんとかなわないよ 別にたいしたことないと思っていたのに こんなになるなんて 心のどこかで見ていた景色が こんな風に言葉になって帰ってくるなんて 今までどこにいたの なにをして過ごしていたの ずっと会いたかったのに

六本木の夜

ずっと2人で会ってみたいと思っていた 君と夜の街を徘徊した 眠らない街を人一人分の距離をキープして 2人で並んで歩いた 何か壁を一枚挟んでしか話してこなかった 君とちゃんと話したいとずっと思っていた ようやく念願が叶って できるだけ冷静で慣れている…